ロマンって結構大切だと思う
ローズの伝説って知ってる?
え、知らないの?
じゃあ教えてあげるね。
ローズの伝説っていうのは……

昔、学園の礼拝堂で生徒が恋をして。
でも周囲の反対にあい、2人だけの結婚式を挙げたあと自殺しようとしたら
ローズ色をした光が教会を包み込みその場にいた親たちが和解できた……そんな話。

「そんな奇跡的なことないだろー」

そんな一言のせいで雰囲気はぶち壊しだ。

「もー、ギルベルトー!少しは夢見させてもらってもいいでしょー!」

話していた本人、は言い返す。

「女のロマンっていうのもあるのよー!」
「男に女のロマンを判れって言われても困るんだよ!」

ギルベルトはそれでも否定的だ。
一緒に聞いていたフランシスは困り顔をしつつに聞く。

「それにしてもちゃん、そんな話どこから聞いたの?」

オレもそれ聞こうと思ってたんやー!とアントーニョがいう。

「ん、菊からだよ?」

三人はあぁ、それならと納得する。



「でもさー、そういう恋してみたいなー」

ぼそっと呟いたの言葉は空に溶ける。
男達3人はその言葉に反応した。

「じゃあちゃん、お兄さんとそんな恋してみないかい?」

どこからか出した赤い薔薇を手に、ふざけ半分でフランシスは迫る。
ギルベルトとアントーニョはそんなフランシスを阻止しようとから引きはがそうとしていた。

「……フランシス、私…好きな人いるから」

二人はは固まる。だがフランシスは一人に聞いていた。

「で、誰に恋してるんだい?お兄さんにいってごらん?」
「え、あ、えーっと…」

こっそりと耳打ちをして打ち明ける。
フランシスは何か思いついたらしくに耳打ちで何か話し始めた。
は顔を真っ赤にするがコクンと頷く。
二人は未だに固まったままであった。



そんなことをしているうちに昼休みが終わってしまった。

「あ、昼休み終わったしお兄さんとアントーニョは教室に戻るぞー」

そう言ってフランシスは未だに固まっているアントーニョを引きずりながら屋上を出て行った。
残ったのはとギルベルト。

、授業出るか?」

ギルベルトはに聞く。

「ん、面倒だからこのままここにいるー」

はそう言ってコンクリートの上に座りなおす。
短いスカートから白い足がちらちらと覗くのでギルベルトは目のやり場に困る。
ギルベルトはなるべく見ないようにした。

「じゃあ俺もここでサボる」

そう言ってに向き合う。

「なぁ、ローズの伝説だった…か?」

ギルベルトはから眼を逸らし呟くように言った。
は少し驚いたようだが頷く。

「お前はロマンティックな恋愛がしたいの…か?」

少しためらいがちに聞くギルベルトは真剣な顔をしていた。
は答える。

「んー、絶対ってわけじゃないよ。そうだったらいいなーぐらいの気持ち」
「じゃあさ…そこまでロマンティックな恋愛じゃなくてもいいんだったらさ、……俺と付き合わねえ?」

ギルベルトは顔を真っ赤にしながら返事を待っている。
唐突に告白されたは状況が飲み込めず少しの時間を要した。
やっと理解したはギルベルトに負けないくらい顔を赤くする。

「こ、このタイミングで言う?普通」

精一杯の強がりなのだろう。
顔の赤みが何よりの証拠だ。

「今じゃなけりゃどこで言えっていうんだよ、大抵あいつらいるし」

あいつらとはやはりあの二人のことだろう。

「で、返事は?」

顔に熱が集中してとても熱くなっている。
少し恥ずかしいものがあるがフランシスのアドバイスを実行することにする。

「わ、私もギルのこと大好き!」

そういってギルベルトに思いっきり抱きついた。


で、しっかりとドアの陰から見てた二人。

「いやー、ぷーたんがちゃんと自分から告白するとはなぁ…」
「あいつヘタレやしなぁ……そういやフランシス、ちゃんに何を入れ知恵したん?」
「あぁ、たぶんギルはに告白するからOKするときに思いっきり抱きついてやれ、と」
「お前なんでそんなに知ってるんや……」
「だって二人とも相談しに来るんだもん」
「それにしても……ちゃんの好きな人ってギルベルトやったんかー」
「あー…、とりあえず諦めろ」

わかりやすく落ち込むアントーニョの話は後で聞いてやろう。

「ほら、アントーニョ、お兄さんが後で何かおごってあげるからこの場は去るぞー」

おごると聞いて目が光ったのは言うまでもない。



ロマンティックな恋
(でも一回ぐらいロマンティックな恋してみたいな)(……不満か?)(そんなことないんだけどね!)


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伝説はギアスの話に脚色したものなので信憑性はありません(ぇ
兄やんはぷーたんって呼んでたらいいと思う。